耳垢ともじゃもじゃ車
 
 弟の耳垢が大きくなりすぎた。取れたらお互いさぞ気持ち良いだろうと父さんは光ダイオードーの3つも付いたヘッドライトを頭に頑張った。
家族も全員で弟を羽交い締めにして協力したのに、駄目だった。
その固まりは耳の穴いっぱいで隙間もとっかかりも無かった。
一番無かったのは、じっとしていようという弟の気持ちだった事は言うまでもない。ついに諦めて耳鼻科へ連れて行く。
先生も「さて、どうやって取るかなー。薬でふやかすか。」と即日解決を諦めた。その上「もう一つの耳は
中耳炎、薬をだすから。」と付け加えた。
 その帰り道、母はドライブしつつ考えた。
(耳垢ごときで2回目の耳鼻科とは....保育園の検診前に
連れて行かなければとは思っていたのだけど....
10日も前に耳を痛がったのは中耳炎だったのか。
どのみち来れて良かった。
......しかし、前方の車いったい何をキャリアに積んでるんだろう。)と目を奪われる物あり。
(電気のコード?ワイヤーがぐるぐる?植物?ああ 
バラの木を移植しようと思って運んでいるんだ.......)と
納得しかかった時、
「前の もじゃもじゃグルマ、曲がったよ。
まだまだ見える もじゃもじゃグルマ。」と弟の独り言。
「もじゃ もじゃ グルマァ?」それはあまりにそれにピッタリなお名前だった。
 それから私たちは、もじゃもじゃグルマを追いかけた。パーマ頭のその車は付かず離れず、ずーっと一緒で私たちを楽しませてくれたけど、小川で曲がらずに行っちゃった。
 何だか楽しかった。そんな弟がなぜか保育園の門の前でいきなり顔から転び、みるみるまに目の周りの擦り傷に血が滲む。
「せんせー、おはうございます。
そこで顔から転んじゃって。しょうどくありますかー?」
最後は、涙 涙のかわいい4才の弟でありました。
                                                      ( by Yoshiko )
 
 
 
ヒメジオン日誌
2008年4月11日金曜日