よこはま散歩
 
電車の一番前に乗った。
こども達は運転手の背の向こうの移り行く景色を楽しんだ。背伸びしてぎりぎりの窓を覗き込む弟の姿に、見知らぬおじさんがニコニコと声をかける。
正月の京浜東北線はのんびりしてる。
桜木町で降りると
「ランドマークタワーは東京タワーの展望台より高いんだぞ。」
と、父さんが言った。
「今日はかんらんしゃ、動いてなーい。」
と、姉が発見し、汽車道を歩いて行くと太鼓やシンバルを
打ち鳴らす音が聞こえ、2人が走り出す。ワールドポーターズの前できらびやかに光る中国の獅子が踊っていた。正月ならではのショウを楽しむ。前脚と後脚を2人が操る獅子はふさふさした睫毛でまばたきしながら、口をバクバク鳴らして、子供の頭を食べるまねをする。自分の番が来る前に弟が最前列よりじりじりと後ずさりしていた。
無料の記念撮影で獅子と写った。年明けそれを足らなかった年賀状の写真に使った。
暑いワールドポーターズの建物を横切ると赤煉瓦倉庫に抜けた。途中のドーナツ型の横断歩道を姉は走って一周する。
オノボリサンはこんな事でも楽しめる。
「アイス?ここのは高そうだから、後でね。」
と、倉庫の中をすーっと通り抜けると海沿いに歩き始める。
「船にのりた−い」
と、こども達。
「じゃあ山下公園まで歩いてから帰りに横浜駅の東口迄乗ろう。」そして歩く。歩く。
次第に弟が遅れをとるが、山下公園にたどり着き、コンビニにアイスクリームのありそうな事を察したのか、いつの間にかちゃんと脇に立ってる。
アイスクリームを食べながら
「大きな鳥がいっぱい。でもぽっぽちゃん(はと)じゃない」
と、姉。
パンを投げるおじさんの頭上を旋回するかもめたちを眺めた。海の向こう遠くにベイブリッジが見える。
氷川丸の前に人だかりを見つけ近寄ると、大道芸人が火のついた棒をお手玉していた。子供の特権、前に出る術で
一部始終を見た娘は私から百円玉を受け取ると彼の帽子に入れて来た。
「船に乗るのと、肉まんを食べるのとどっちが良い?」
「ふねーーー」
と、弟は言ったけど、昼も食べずに歩いた私達は、中華街を歩いて肉まんにかじり付いた。
おじいさんに焼き栗のお土産も買った。石川町駅に着く頃、日が暮れようとしていた。
流れる景色をバックに電車の中撮った写真の姉弟が妙に大人びて見えた。
最寄り駅から家迄の励みは焼き栗を食べること。競歩のようなスピードで家を目指した。
その夜の焼き栗とビールの美味しかったこと。
思いっきり観光。あー、よこはま散歩。 ( by Yoshiko )
 
 
ヒメジオン日誌
2009年1月20日火曜日