どんぐりころころ
 
 去年の秋、子供達と桐山で拾い集めたどんぐりが鮮やかな黄緑色の葉をプロペラみたいに広げて、小さな木へと育ち始めた。保育園の裏山「わんぱくの森」に植えてもらおうと、梅雨の晴れ間に幼木を運んだ。弟もはりきって苗ポットの沢山入った籠を胸に抱えての登園、クマ先生を見上げてニコニコ笑う。
 「桐山。」通学路でクヌギのどんぐりを探していた私たちに、通りすがりの一人の老人が教えてくれた地名。
「俺の育った桐山にはこんなに大きな(親指と人差し指で丸を作る。)どんぐりがいっぱい落ちていた。」
なぜかこの桐山に行ってみたいと思った。小川育ちの友人に聞くと、くねくねの山道をかなり登った果てに今は廃校になった小学校があってそこが桐山だと言う。けれど
自分で運転して行くのはやめた方が良い。とも言った。
バスを調べたら日に2本の予約制だった。
ますます行ってみたくて「桐山には大きいどんぐりがある」と言い続ける私のしつこさに折れて、展示会から帰ったばかりの父さんが車を走らせた。
廃校になったまま取り残された校舎。グランドには草が生い茂り、錆び付いた鉄棒がポツリと置かれていた。こんな山奥にも子供があふれていた時代があったのだ。
 そこで拾った立派などんぐり(おじいさんの指で作った丸よりは小さかったけど)が雪の下で眠り春に息吹いた。クマ先生は保育園の敷地の数カ所に竹で囲った幼木の為の家を作り、そこに植えてくれた。そして植えるのを手伝ったこども達に「30年経ったら見においで。」と言った。
 そして今年の秋、10年前に北海道の大雪山系で拾ったどんぐりから育てた家のミズナラに初めての大きなどんぐりが沢山なった。
それと同じく娘が3歳のとき拾って育てたクヌギにも
もじゃもじゃパンツをはいた丸いどんぐりが数個なり
始めた。
様々などんぐりの木と子供の成長が年月を物語る。
いつか大人になった弟と保育園のナラの木を見よう。
                ( by Yoshiko )
 
 
 
 
ヒメジオン日誌
2009年10月1日木曜日