どうぶつと話せる家族
 
 姉がクマのぬいぐるみと話すのは母さん譲りである。
子供の頃、一人っ子だった私はたくさんのぬいぐるみを持っていて、一人何役もして対話を成立させる事が出来た。その能力は大人になっても持続し、それを初めて目にした若かりし父さんは
「気持ち悪いから辞めてくれ。」と私に言い放った。
 しかし慣れというのは恐ろしいもので、ぬいぐるみからどうぶつへの応用で、彼は野生のディンゴに話しかけ、
カンガルーに声をかけるようになった。一緒にバイクで旅してた、つれがその変化を訝った。
 そして、私が百貨店のエレベーターに乗っている時、
目が会ってしまってゴールデンレトリバーのぬいぐるみをつれて帰ってからは、ついに彼もぬいぐるみと会話できるまでになった。
そして今は子供も加わり、端が見れば実に不気味な家族となったのだ。
 そんな事が関係があるかは解らないが、泰木房のどうぶつイスシリーズは、父さんが夜な夜なスケッチブックに
どうぶつの絵を描く事から始まる。そして形に出来るかを検討し、後に実物大の絵を描いて、型をおこす。
どうぶつイスは好評でいぬ、ねこから、かば、キリン、
ライオンと仲間を増やし続けている。
身内の私が言うのも何だが、それらは四捨五入50歳の
オジさんが描いているとは思えないくらいかわいい。
そして、それをいざ形にするという段階で、きっちりとした職人気質なオジさんに戻る。このギャップがかわいい形と、きっちりとした仕上がりの泰木房のどうぶつイスになり、根強いファンを作っているのだと思う。
 今日も姉のまねして弟がぬいぐるみと会話する。
このこども達の存在が父さんの中に存在していたどうぶつ好きの心を表に引き出すきっかけになった事は言うまでもない。
                 ( by yoshiko  )
 
 
ヒメジオン日誌
2010年5月15日土曜日