秋晴れの体育の日。お向かいのJさんから教えてもらった秘境の温泉にいった。ちょうど紅葉が見頃だと言う。久しぶりの家族揃っての遠出。白馬から新潟方面に向かう。県境を過ぎると青い看板に蓮華温泉と標示があった。その指示通り山間を進むと大きな池があらわれた。名を「白池』といった。鏡のような水面を黄や紅、オレンジの木々がふち取っていた。車を止め岸へと歩を進めてその地の寒さに驚いた。冬用のジャケットを羽織った子供達が池の周りの遊歩道を対岸のひなた目指して小走りに進む。もみじは枝の先の方だけをオレンジ色に染め、陽の光を受けて燃えているようだった。陽のあたる木道は暖かく、そこに腰を下ろすと持参のおにぎりを食べた。対岸の紅葉が丸ごと水面に映っていた。
つづらおりの道を対向車に気をつけて、登って行くほどに辺りは紅く色づき、前方の山肌が秋色のカーペットのように見えた。木々の隙間から覗く眼下はすでに遠い。
やがて車止めがあり、山のロッジが一軒あった。そこで内湯に入れた。教えてくれたJさんは、そこから20分程歩いた露天風呂に入って星空が最高だったって教えてくれたけど、子づれで昼間来た私達はロッジの温泉に、(少し入湯料は高い気がしたけど)後悔の無いように入る事にした。随分、遠くに来た気がしたし、寒かったから。
冷えた体が熱い湯に浸かったとたん、何とも辛い心持ちになるのだが、そこからはまさに極楽気分。温泉の窓の外は紅葉づくし。のんびり浸かった母につき合った娘は、
かわいそうに、湯あたり。
そこはしばし現実を忘れさせてくれるような秘境であった。 ( by Yoshiko )