やしょうま
 
 私たちがここ小川村に越して来た頃、大家さんのおばあさんは80才を越していたけどとても元気に畑仕事をし、
信州ならではの食べ物をたくさん作っては分けてくれた。それらは私たちが初めて口にするものも多く、ここの食文化に触れる事が出来た事にとても感謝している。
手づくりのこんにゃく、しみ大根の煮物、おやきやニラせんべい、野沢菜漬け、手作り醤油まで様々なものがあったがその一つが「やしょうま」であった。白や薄紅色の筒状に伸ばしラップに包まれた柔らかいものは少し甘くてお餅のようであり、ウイロウのようでもあり、スアマと言う和菓子のようだった。
「これはヤショウマと言ってお釈迦様が亡くなる前に弟子の一人やしょうが作って差し上げ、それを食べたお釈迦さまが『やしょう、うまかった。』とおっしゃって亡くなられた。それでこの名前がついたものでこの時期作ってお供えするんだ。」と教えてくれた。今日はその話である。
 昨年、村の道の駅で白地に薄紫の花の絵柄のやしょうまを見かけた。こんなに繊細な細工が出来るものなのだと驚いて思わず一つ購入した。子供達は絵柄の美しさを喜び、
その量の少なさを嘆いた。
娘は友達が家のおばあさんと一緒に作ったやしょうまを分けてもらっては、自分も作りたがっていたので村の
「やしょうまづくり講習会」のお知らせの有線放送を聞くと
「かあさん、行って習って来て。母さんが作れれば一緒に作って、いっぱい食べれる。」と懇願した。
 たくさんの人が集まって講習だった。先生は道の駅に置いてあるやしょうまの作者だった。
その手際の良さ、細工の作り方の手順に皆の感嘆の声が上がった。
色づけには人工着色料を一切使用せず、赤はビート、黄はクチナシの実、緑は抹茶、茶はココア、紫は紫のさつまいもを使用。そのポリシーも素晴らしかった。
 それぞれのパーツを色付けし棒状にしたものを合わせ丸く転がして伸ばす。まるで金太郎あめのような具合にどこを切っても同じ絵がらが現れるはずなのだが、糸で8ミリぐらいづつカットして行くと、そこに現れるパンダの表情が少しづつ違っていて面白い。笑ったり困ったり垂れ目だったりと。
 家では子供達が悲鳴のような声で「かわいいーーーー」と叫び大事そうに手に持つと、にこにこしながら、少しずつ少しずつ口に運んだ。顔の輪郭どうりに色の違うやしょうまが剥がれる事を教えると、パンダの形にして耳を食べ顔を食べと楽しんだ。
 ここでもう一度最初の写真を見てみるときっと分ってもらえると思う。
ねっ!かわいいでしょう。      ( by Yoshiko )
 
ヒメジオン日誌
2008年3月17日月曜日