30年前のKawasaki Z400 B1というオートバイを
実家から持って来た。正確には父が生前、預けた場所からようやく引き上げて来たと言った方が正しい。厚かましい事に15年、現職時代のボイラー室に預けっぱなしだった。私も気にはなっていたけど何せ昔の重たいバイク。
ようやく今回軽トラに乗せて運び出した。
太陽のもとよく見るとサビも無く布でこするとメッキ部分がピカピカと光った。子供達が喜んでどんどん磨く。
すると、マフラーやフェンダー、タイヤのホイールまで輝き出した。これは奇跡だ。
ボイラー室とはよほど乾燥した所だったに違いない。
このバイク20年前に私が乗って学校に通っていた。
社会人になった初めての夏、憧れだった北海道ソロツーリングをした想い出深い代物だ。のちに、父に返した。
それからこのバイクは冷凍保存されたマンモスみたいにここで眠っていたのだ。
話には聞いていた夫も、自分の乗っていたものより遥かに世代をさかのぼるこのバイクをしみじみ眺めた。
「エンジンの黒塗装が生きてるし、クラッチのワイヤーも伸びていない。タイヤも新品みたいだし、傷がほとんど
無いのはドノーマルなエンジンガードのおかげだな。しかし、キックが下りないのは....」などと呪文のようなことを
唱えながら。
誰かが買ってくれないだろうか。と思う。でも、そこで当初から心配をしていた問題が再浮上する。私が多摩陸運局で出した使用中止の書類がどこを探しても無い。
ここの陸運局に相談に行き、以前の市役所で15年前の
納税した証拠を探し、どこでも古すぎて記録は無いと言われ、万策尽きた。
私とこのバイクの過去のナンバーをつなげるものが何一つ無いのだ。
事情の分らない弟だけが、
「いつか、オレがのる。」と、嬉しそうにまたがっている。あと10年、錆びさせずに取っておいてあげるつもりは無いのだけれど。 ( by Yoshiko )