カブトムシ大作戦
 
 腐れ縁のKが9才の息子を連れて遊びにくると言う。
父として何としてもカブトムシを自然の中で捕らせてやりたいのだと言う。親子の思い出作りを完璧に人まかせにして。
 我家の娘はカブトムシを欲しがった事はない、息子もまだそんな事を言い出す年ではなかった。そこでその話が浮上してからというもの、私はいろんな人から情報を収集して行った。
そしてここ小川村には実際カブトムシやクワガタが見近かに存在するという事を知った。
その上カブトムシに出会う為の奥の手を伝授してもらったのだ。
 Kは金曜の仕事を終えてから夏休みが始まったばかりの息子を連れて千葉を出発。夜中に着くというので寝てしまう。
親子は深夜に着いた割には早朝からゴソゴソ起き出している気配。そして外へ出掛けた模様。そう彼らの目的は一つ。カブトムシを捕る事。
カブトムシはそう簡単にはいない。そこで緑の小さなカエルを何十匹も捕まえて戻って来た。
「観察するよ。餌は売ってるんだよ。」と言う彼に、
「この庭にはこのカエルが普通に沢山住んでいるけど、水  
 槽ではすぐに死んでしまう。自然のままに返してあげよ 
 うよ。」と話すと素直に水槽のふたを開けてくれて良かった。
 朝食のサラダの野菜、トマトやきゅうりにトウモロコシを「おいしい、おいしい」と平らげると彼らは木に砂糖水を塗りに出掛けた。何が何でもカブトムシを捕りたいのだ。
それから夕方まではプールに出掛けて行った。休みパワー全開の彼らの行動全部にはつき合えそうも無かった。
 夕方になって火を起こしナス、ズッキーニ、カボチャ等の野菜を焼き、ショウガ醤油で食べ始める。
これも「うまい、うまい」とどんどん食べる。ようやく肉を少し焼いて食べ終えた頃、1台のワンボックスが停まりNくんが現れた。
「久しぶりです。アワビ持って来ました。バーベキューし  
 てはるんですか。丁度よかった。」
 気付けば肝心の運転手Kも
「アワビの刺身に白ワインがあう。うまい。」などとのたまってすでに酔っぱらっていた。
「お父さんカブトムシは?」と息子に言われても
時遅し。結局Nくんに運転をまかして高原に向かう真っ暗な道を進む。合い言葉は
「3重の塔を過ぎて最初の明るい街路灯。」
 果たしてそこでアスファルトに転がったカブトムシのオスとクワガタ2匹を発見。
欲の出た大人4人子供3人を乗せた車は明るい街路灯がある度そっと停まり、ぞろぞろ降りて、懐中電灯で辺りを照らした。しかしその夜は2度とカブトムシに遭遇は出来
なかったのである。
 次の朝、思いがけずしてメスのカブトムシが道に落ちていた。Kと息子は大満足。
私としても情報収集のかいあって、父と息子の一夏の思い出に大きく貢献する事ができたと肩の荷を降ろした思いであった。ああ疲れた....                  ( by Yoshiko )
 
 
 
ヒメジオン日誌
2008年8月19日火曜日