木っ端(こっぱ)
 
 
 木で製品を作る。すると沢山の木片と木屑と粉が出る。今の時代はこれらを外で燃やせなくなってしまった。
それどころか産業廃棄物として処理しなければならない。
 
工房に薪ストーブがあれば解決する事なのだが、泰木房
の隣二軒も木工屋さんで、火事が恐いので互いに使わな
い約束になっている。
そこでいろんな人々に少しずつ役立ててもらう事で整理
している。
 
大小様々な木片は秋に一度、暖炉を持つ友人に引き取っ
てもらう。薪としてはパワー不足な木片も、よーく乾い
ていて火付けにとても便利と喜んでくれる。
その居心地の良い部屋を訪れると、見覚えのある形の木
片が部屋の一角にバランスよく並んでいたりする。
「とても素敵な形で燃やすのが勿体なくて」と彼女は笑う。いつかは暖炉のある暮らしをしてみたいものである。
 
 機械の作りだす木屑は細かい。村営住宅の各家の生ゴ
ミ処理機の媒体材料としてのチップとして提供している。
毎日生ゴミを投入し、数ヶ月ごとに土に帰すと良い有機
肥料となる。そして春にみごとなチューリップを咲かせる。
いつでも使用出来るように共有スペースに置かれたこの
木屑を、娘とその友達たちがママゴトに使うと面白い事
に気づいた。
水を加えて手でおにぎりをこしらえたり、型に入れてひ
っくり返し、泥のチョコレートに球根の皮剥き生クリー
ムをあしらってケーキ作りに励んだりとそのバラエティ
は数知れず、飽きずに5年遊び続けている。
 
 それでもまだある大量の木屑は酪農家の牛舎で使って
もらっている。
牛の排泄物と一緒に処理場に運ばれ、有機肥料となる。
その肥料を使ったこの家の野沢菜漬けは太くて柔らかく
て最高である。
 処理に困る木の粉も鳥の飼料作りに使いたいと貰いに
くる人が居て、嬉しい限りだ。
 
 そんな訳で泰木房で家具になり損なった木片や木屑た
ちも何かの役にたっている。何十年もかけて育った木に
責任を果たす思いがするのである。  (by  Yoshiko)
ヒメジオン日誌
2006年10月29日日曜日