昼間の暑さから解放された夕方、たくさんもらったサヤエンドウ。
小学校から帰った娘と床に座って、新聞紙広げてすじを取る。
開け放ったサッシの網戸から、涼しい風がながれてくる。
ここちよい初夏のひととき。
ブリキのじょうろに水を入れて、ポットに1本ずつ
ずらりと並ぶバジルの苗に水を撒く。種を蒔いてやっと小さい本葉2つ。
定植すると真夏にはぐんぐん育つ。こんなふうに10年経った。バジルを食べれない夏なんて考えられない。
庭のズッキーニ、梅雨に入ると突然葉が大きくなり、黄色い花を咲かせる。小さい赤ちゃんズッキーニ付の花が咲けば、雄花を触って受粉させる。3日後にはバナナより太いズッキーニに変身する。
他にも、茄子やきゅうり、ししとう、トマトが少しずつ
植えてあり子供達の楽しみになっている。自分で取って
すぐ食べる野菜はひと味違う。
今年も野菜のピザを焼くのが楽しみだ。
東京でのサラリーマン生活を辞めて、実家に暫くいた時、まだ若かった父が夕方仕事から戻ると、植木に勢い良くホースの水を撒く姿を見て、東京のアパートの生活にはもう戻りたくないと感じた。そして今私たちは信州のこの地で暮らす。
ノートに文字を綴り始めた母を見て、サヤエンドウの
すじを取り終えた娘が覗き込む。
「何書いてるの?」
「ん...気持ちのいい夕方だから何か書きたくなったんだよ。時間はどんどん過ぎて行くから人はその時を文章にしたり、絵を描いたり、写真を撮ったりして残そうとするんだよ。」
「ふぅーーーん」6歳の娘は解らないと言う返事をした。
いつになく外で遊ぶ子供達が居ず静かな日だった。
やがて「夕焼け小焼け」のメロディが流れ、お寺の鐘が鳴った。
夕ご飯のサラダに載ったサヤエンドウはとても甘くて
やわらかかった。 ( by Yoshiko)