毎年、親切で面倒見の良い農家のKさんに誘ってもらい
みそづくりに参加させてもらっている。このKさんのみそ
これが本当においしい。
今年は父が体調を崩し、日々の病院通いの中、みそづくりは諦めようと思っていたところ、麹づくりから豆洗いなどの準備を周りの方が御苦労してくださって、みそを樽に詰込む日のみ参加させてもらう事が出来た。
約束の時間より少し早めに行って、身支度をしゴム手袋を着けると、Kさんが来て挨拶と同時に、「豆を鍋からざるにあげて冷まして」とテキパキとした指示を与えてくれる。いつもの事ながら身が引き締まるようだ。
そして、ミンチマシンが休む事の無い様に豆を補充するのが私の仕事となり,ひき肉の様にビューッと出て来た豆のミンチをどんどん机に広げて冷ましつつ、Kさんは父の事を心配して下さった。
「人から聞いた話だけど」と控えめに言い終えた後、
「魂はすばらしい所へ帰って行くけれど、体は置いて行かなければならないから.......それは貴方にとって悲しい事だけど........」と話し始めた。私は豆をミンチマシンの
スピードに負けない様にどんどん入れる事で、涙をこらえた。
測り分けた麹と塩と、ミンチになった豆と、煮汁を攪拌マシンに入れる。攪拌マシンの動く間、私たちも次の日の豆を洗い、鍋で豆を煮つつ、ざるを洗い、と働き続ける。攪拌マシンで全ての材料がきれいに混ざり、それを細長い型のみそ用の樽の底の外側からみっちりと詰込んで行く。他の2人がどんどん手渡してくれるみそ玉を空気を抜く様にセッセッと詰込む。邪念まで一緒に詰込まない様に、体を折り曲げ、手をみそ樽の底まで突っ込んで、ただ無心にひたすら詰める。
その間も、Kさんは次の攪拌マシンを動かし、段取りを整えてくれる。
4回分を2つの樽に詰込み、40キロづつのみそが仕込まれた。上に塩を撒き、クマ笹で蓋をして10キロの重しを載せる。初夏に重しを5キロに変えて、秋には美味しいみそが食べられる。
小川村では、村のみそ加工場を借りて沢山の人たちが自家用のみそづくりをしている。人々は一年以上先までの家族の生活の営みを信じるからこそ毎年みそを作るのだ。
脈々と続く人類の流れの中の個を想うみそづくりとなった。
( by Yoshiko )